恒心文庫:唐澤厚史「兄さんが学校でいじめられてる?」

本文

唐澤洋「そうらしいんだ、貴洋はすごく傷ついている。」
唐澤厚史「そういえば最近兄さん落ち込んでたな、兄さんの苦しむ姿を見るのは辛いな…」
唐澤洋「ちょっと相談に乗ってやってくれ」
唐澤厚史「わかった」
コンコン
唐澤厚史「兄さん、最近落ち込んでないか?」
唐澤貴洋「そ、そんなことないよ、別に…」
唐澤厚史「そんなことないようには見えないな、だいたい痣だらけじゃないか」
唐澤貴洋「実は…」

唐澤厚史「そんなことがあったのか、でももう苦しまなくていいよ、僕も力になりたい。」
唐澤貴洋「危ないからやめろよ、あいつらと関わったらお前だっていじめられる」
唐澤厚史「そうか、でも僕のことは頼りにしてよ、いままで兄さんな頼りっぱなしだったからさ」
唐澤貴洋「ありがとう」
~3か月後~
唐澤貴洋「弟がいない?」
唐澤洋「そうなんだ、さっきから帰ってこない」
唐澤貴洋「ちょっと用水路の近くを見てくる」
唐澤洋「気を付けろ!」

悪芋1「まだくたばらねぇか、もっとやれ!」
悪芋2~8「おお!」ボコボコ
唐澤厚史「兄さんのためなら死んだっていい好きなだけ殴れ!」
ボコボコボコボコ
悪芋1「流石にくたばったか、どうだ?もう降参するか?」
唐澤厚史「…」
悪芋1「おい!」
唐澤厚史「…」
悪芋2「これ、死んでねえか?」
悪芋3「死んでますね」
悪芋1「よし、逃げるぞ」
悪芋2~8「はい!」

唐澤貴洋「あつしいいいいいいいい、大丈夫かあああああああ」タッタッタッ
唐澤厚史「…」
唐澤貴洋「厚史?」
唐澤厚史「…」
唐澤貴洋「厚史??」
唐澤厚史「…」
唐澤貴洋「うわあああああああああああああああ」ブリブリブリブリブリ

~葬式~
唐澤洋「そんなに落ち込むなよ、お前は悪くない」
唐澤貴洋「いや俺が悪いんだ、俺のせいで弟はあんな風に…もう俺に生きる資格なんてない…」
唐澤洋「そんなんで弟が喜ぶわけがないだろ!弟の分まで生きるんだ!」
唐澤貴洋「弟の…分まで…?」
唐澤洋「そうだ」
唐澤貴洋「弟の分までか…俺はどうしたら弟の分まで怒られるんだろうか…」
現代社会の渡辺先生「弁護士と言うのはひとを助ける仕事なんです」
唐澤貴洋「これだ!」

唐澤貴洋「父さん、決めたんだ!俺は弁護士になる!弁護士になって困ってるひとを助けるんだ!」
唐澤洋「そうか、がんばるんだぞ!」

それから唐澤貴洋は難関のSFCに合格、さらに卒業後は夜間にバイトを掛け持ちしながら司法試験に何度もチャレンジ、ついに弁護士になったのでした。

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