恒心文庫:桜坂

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本文

それはまだ父も息子も若かったころ。
息子の、いけないことだと頭では解りながら、日に日に募る父への想い。
届くはずのない、届いてはいけない想い。
それは時に甘く、時に重く、息子にのしかかっていた。
恋心が痛み耐え難くなる度、自宅前の桜坂を、持てる力の限りを尽くし何度も走って往復することで、爽やかな汗を持ってしてやるせない感情を解消していた。全裸で。
(父さん父さん父さん!いや、洋!大好きだー!)
深夜であるしさすがに自重していたが、父への想いを声高に叫びたい、そんな気持ちに駆られる。
やりたい盛りの若いちんぽは真っ赤に充血し血管がドクドク波打っている。
野外露出の背徳感や激しい運動のせいではない。父への想いがそうさせるのだ。
息も絶え絶え、脇腹が痛いなかで既にカウパー汁を垂れ流しているちんぽに両手をあてがう。
まるで運動による交感神経の高ぶりがセックスによる高まりのように錯覚された。
目を瞑り父と自分がそれをする情景を思い浮かべる。激しい興奮が襲う。
玉は硬くせり上がって今にもいってしまいそうだ。
父のアヒル口が快楽に歪む様を空想するとより一掃ちんぽが膨らんだ気がした。
すると突然、寝室の窓が開き、父洋が上体を覗かせる。ただならぬ物音に目を覚ましたらしい。
「たったかひろ!たかひろじゃないか!何をしておる!」
息子は父が見ている前で勢いよく射精した。

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