恒心文庫:引退試合

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本文

「まずいナリ…この大舞台で漏らしたら人生終わるナリ…」
現役最終打席を前にして唐澤貴洋は強烈な腹痛に襲われていた。
せめて腹痛が収まるまでは前の打者に粘ってもらいたい…

その願いも虚しく、鈍い音がして平凡なセカンドゴロが打たれた。ついつい「アホ、ボケ…!」と声が漏れる。

「4番バッター唐澤背番号99」が告げられ、打席に向かう。観客のボルテージは最高だ、カメラのフラッシュが眩しい。当職のボルテージは最低だ。ああ、試合前にアイスなんか食わなければよかった…!!!

肛門を閉めるために内股で打席に立つ、自分でも思うがなんと情けない格好なんだろうか。

IP見せろ今こそ 頼むぞ貴洋
みなぎる金欲燃えたぎらす 弁護士魂
かっとばせー貴洋!!

客席からは地鳴りのように当職の応援歌が響くが、今の当職がかっとばせるワケがない。

第一球…ズバーン!「アァァァァイ!!! 」
審判が甲高い声で叫ぶ。ふ、振ったら漏れるナリ…

第二球…ズバーン!「アァァァァイ!!! 」
ぐぅ、決壊しそう…もう三振でいいナリ。

諦めかけたその時、客席から割れんばかりの貴洋コールが巻き起こった。
頑張れ頑張れ貴洋!
頑張れ頑張れ貴洋!
頑張れ頑張れ貴洋!

「いつも誹謗中傷ばかりだったけど、こんなにも当職の事を応援してくれるファンがいたのか…ええい!最終打席くらいフルスイングして終わってやるナリ!」
当職はついに吹っ切れてしまった。

「自分は名球会入り打者だ、お前らとは違う!五反田の野球の神を崇めよ!」

投手が第3球を投げる
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」ブン!!
ズバーン!「アァァァァァァァァイ!!! 」



男の晩節とパンツが汚れた。

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