恒心文庫:唐澤厚史「たかちゃん、ごめんね」

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本文

「ごめん、重いよね。でも、たかちゃんにおんぶしてもらうなんてどれくらいぶりかな。
 …うん、まだ体のあちこちが痛くて動かせないよ。結構ひどくやられちゃったみたい。
 あいつら、いつもたかちゃんにひどいことして、許せなかったんだ。逆にボコボコにされて、カッコ悪いけど。
 でも俺、あいつらに泣き顔だけは見せなかったよ。
 …夕陽が綺麗だね、たかちゃん。小さい頃、ここの川原で遊んだの覚えてるかなぁ。
 あの時はお父さんも優しくて、お母さんとも仲が良かったよね。楽しかったなぁ。
 …たかちゃん、泣いてるの?…笑ってるの?たかちゃんが笑うの見たの、久しぶりだ。
 俺はずっと味方だよ。いつかお父さんよりも偉くなって、あいつらからたかちゃんを守るから。
 だって、俺はたかちゃんの、たったひとりのおとう

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