恒心文庫:僕は鳥になりたかった

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本文

僕は鳥になりたかった
どこまでも広がる青い空に白い雲
その中で自由に羽ばたけたらどんなに気持ちいいんだろう

しかし僕の身体は飛べる風にはできていなかった
太った父は手をパタパタして空を飛んでいるというのに
太った兄は肛門からガスを発して空を飛ぶことができるのに
太ったカルト宗教の教祖ですら座禅して宙に浮けるというのに
なぜ僕は大空を仰ぐ事ができないんだ───

そんなある日の事悪魔が夢に出てきてこう言った
「魂をくれたら空を自由に飛ばせてあげるモリよ」
僕は「はい」と答えてしまった


その翌日東京湾に浮かぶ青年の遺体が発見された
その表情は満足そうに微笑んでいたという

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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