恒心文庫:伝統工芸『悪鋳物』の生産がピーク…東京・虎ノ門

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本文

連日暑い日が続く中、東京・虎ノ門で唐代から伝わる伝統工芸品の製作が盛りを迎えている。
「悪鋳物(わるいもの)」と呼ばれるこの鉄器は唐代の中国が発祥の由緒正しい鉄器。山奥の沢のそばで作られていたことから別名「唐澤焼」と呼ばれることで有名だ。
特徴は繊細に彫られた美しい文様。鉄器の内側にまで彫られており、その技術は一子相伝であるという。
「まだ鉄器が赤熱してるうちに彫るんですよ。鉄器の中身を開いて示し、そして彫る。開示ってわけです」
そう言って奥義「開示彫り」を見せてくれたのはその技の名手である貴洋さん。慣れた手つきで彫りながらも、赤熱した鉄を前に汗が噴き出していた。
「弟はこの技を習得できず悪鋳物に飲み込まれてしまいました」志同じくした弟・厚史さんの事を振り返ると、貴洋さんは一つの鉄器を差し出す。
「この鉄器、弟が溶けてるんですよ。私の鉄器の中にはいつも弟がいます」と変わり果てた弟を見せニッコリ笑う貴洋さん。
唐、澤から生まれた悪鋳物―今では場所を虎の門の用水路に変え、貴洋さんがその血を脈々と受け継いでいる

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