週刊実話
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週刊実話(しゅうかんじつわ)とは、日本ジャーナル出版が発刊している週刊誌である。
話題の一冊
世間で話題になっている本の著者に直接インタビューを行い、本の概要や著者の来歴などを紹介するコーナー。
2019年2月21日に唐澤貴洋のインタビュー記事がこのコーナーを通じて掲載された。
本文
著者インタビュー 唐澤貴洋 炎上弁護士 なぜ僕が100万回の殺害予告を受けることになったのか 日本実業出版社 1,400円(本体価格)(魚拓)
ネット被害者を守る法律を作ることが使命 ――唐澤弁護士がネットで炎上した経緯を教えてください。 唐澤 発端は’12年。ネット掲示板『2ちゃんねる』(現5ちゃんねる)で誹謗中傷に悩む少年の依頼を受けたことがきっかけでした。書き込みの削除請求を担当する中で、非難の矛先が私に向かったのです。 ――ネットでは次々と唐澤弁護士の個人情報が晒されていきましたね。 唐澤 情報流出は私の経歴や自宅などだけにとどまらず、実家の住所や家族の個人情報にまで及びました。親族の墓が暴かれ、墓石にスプレーで落書きをされたこともあります。 ――ネットだけではなく、実害にまで及んだんですね。 唐澤 私の弁護士事務所への落書きやいたずら、怪文書が届くのは日常茶飯事。何度かカッターナイフが送られてきたこともあります。私への殺害予告は100万回以上あったと警察の方から聞きました。なりすましによる爆破予告やフェイクニュースを流され、その情報に踊らされたマスコミから取材が殺到。業務が滞ることもしばしばでした。 ――唐澤弁護士への加害者はどんな人たちでしょうか。 唐澤 私とは面識も関わりも一切ない男性ばかりでした。加害者に会い、話を聞いてみると、そのほとんどが罪の意識はなく「なんとなく書き込んだ」と言います。私のケースのみならず、炎上に加担する人たちは現実社会ではなくネットに自分の居場所がある人たちばかり。ネットでは人を攻撃することで、自分の存在感を自覚できてしまいます。心地よいと感じてしまうゆえに、よりネット依存が進んでしまうのです。 ――芸能人や有名人の炎上ニュースでは、揚げ足取りや言葉狩りも多いですよね。 唐澤 だからこそ、安易に炎上に加わるのではなく、まずはそのニュースに対して自分で何がいいのか悪いのかをじっくりと論理的に考え、物事の本質を見極めてほしいと思います。結論だけを共有するのではなく、なぜそう思ったのかも含めた自分の意見を持つことが大切です。他者を非難するばかりでなく、自分と異なるものを受容する人間らしさが、より一層必要な時代になっていきますよね。 ――今後の活動予定は? 唐澤 ネット被害者を守る法律を作ることが、私の弁護士としての使命だと感じています。現行法では被害者を守ることは十分でないからです。本書でも詳しく書きましたが、私の考えや活動に共感してくれる人を増やし、人権を重んじる社会へと変えていけるように、今後も精力的に活動を続けたいと思っています。 (聞き手・東まりあ)