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恒心文庫:被虐弁護士

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本文

あひぃぃぃぃぃいいぃ!
当職の剥き出しの背中に鞭が打たれた。
「この変態の豚野郎!」
何度も何度も鞭を打たれ当職は絶頂に達した。
「アンノォ、も、もっとォ......」
祥平はすかさず「もっととかいうな!」
とさらに当職に鞭を打つ、荒い息をする祥平と別な意味で荒い息を吐く当職。

何をやっているのかといえば当職は嬲って貰っているのである。
いつの頃からだろうか、当職は被虐的な嗜好に目覚めてしまった、本当に豚野郎になってしまった。
裕明と仕事を共にしている時に簡単な仕事をミスすると冷たい視線を裕明が投げかけてくる、これが堪らない。

当職は何度もわざとミスをした結果遂に裕明が切れたのだ。
「いい加減にしろ!お前はコピーすら満足に取れないのか!新しく入る山本くんに示しがつかないじゃないか!」
ここで当職は不貞腐れることにした、こうすればさらに裕明が怒りそうだったからだ
裕明は無言でズカズカと当職に近づくと、襟首を掴んで耳元まで顔を近づけた
「お前は一体何を不貞腐れてるんだ?せめて反省の色を見せろよ」
ここでこのプライドだけは高い男の逆鱗に少し触れてやることにした。当職は言い返した
「東大出て、東大の院に行かず、他大の法科大学院出て弁護士になったお前がずいぶん偉そうだな、当職のコネを利用してこの虎ノ門に事務所を構えられている癖に」
裕明の顔が怒りで赤く染まる、当職の襟首を掴む手の力が強まった。

不意に裕明が膝を思い切り当職の股間目掛けて突き上げた、筆舌に尽くし難い苦痛を当職を襲う。裕明はそのまま荒々しい足取りで事務所を出て行ってしまった。

新人の山本はどんなやつかと思っていたが何のことはない、ただのドSであった。
当職は彼に迷惑をかけるミスをするたび
ひどくなじられ詰められ、殴られた。
挙げ句の果てに当職は鞭でしばきまくる次第である。
祥平は当職の理想にかなり近い存在だった、当職のツボをよく心得ている
祥平は当職をゴミ扱いし、なんならトイレの代わりに口で脱糞やションベンをされたりした。

しかしこの生活は長くは続かなかった。
裕明は当職にプライドを傷つけられたのが許せなかったらしくこの事務所から出ていき
祥平は当職を喜んで嬲っていたのだが
「俺、このままじゃオトコをしばいて興奮する変態になりそうで怖いっス」
というとニューポートに移ってしまった。

今の同僚は当職を嬲っても問い詰めてもくれないのだ。
当職は秘密のベールで包んでいた私生活を少しずつ明かし、露出を増やすことにした
なぜなら誰かがいつか当職を滅多刺しにしてくれると信じているからである。
いつなん時滅多刺しにされるかわからない
ことに怯える毎日、この倒錯し切った状況は当職に抗いきれない魅力と快感をもたらす。
さっさと滅多刺しにしに来るといい。
当職は全てを受け入れよう
待ってるぜ

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

挿絵

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