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恒心文庫:歩き続けてどこまでゆくの

提供:唐澤貴洋Wiki
2021年1月2日 (土) 22:59時点における>チー二ョによる版 (→‎リンク)
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本文

『 20xx年1月9日1時9分ごろ、大阪府堺市の路上で上半身裸になった24歳の無職の男が、外出中だった被害者唐澤 貴洋被害者(xx)の服をつかみ、腹部など4か所を所持していた包丁で刺した。犯人はその後逃亡を計ったが、間もなく警察官に取り押さえられました。動機は現在調査中で、薬物濫用などの疑いも・・・ 』
尊師が消えた。俺の前から消えた。グルが突然やってきて、尊師をさらっていった。

その時メインカラケーは接続数が多すぎてパンクし、避難所でも1秒で十レスが流れる程活気に満ち溢れていた。いや、この有様は活気というよりも狂気だろうか。
ある者は喜び身を震わせ、ある者は罪悪感に竦み、ある者は射精していた。
しかし俺は今までさんざん殺害予告をしてきたがこの事件を嬉しくも、悲しくも、欲情の念も思い浮かばなかった。

もう尊師はいない。

かつてのオウム真理教の尊師である麻原彰晃、もとい松本智津夫が処刑された時オウム信者はこのような気持ちだったのだろうか。
俺の性器は今までにないレベルで響立していたがしごく気力は起こらなかった。
もう何をしても尊師の反応を拝めない。
心にポッカリ穴が空いてしまった。毎日飲んでいた牛乳が冷蔵庫に無いだとか、好きなアニメが終わってしまっただとか、恋人が死んでしまっただとかとは全く違う、虚無・喪失感である。
これから何を生きる糧にしていけばいいのだろうか。あれだけ罵声を浴びせた尊師のことを顧みてももう開示をしてくれることもない。
打ちひしがれた俺に出来ることは何も無かった。

サイバー部にはある一つのコメントが遺してあった。
『唐澤貴洋殺した』
俺はいつの間にか射精していたが気にもとめなかった。
キーボードを叩く。掲示板に慣れていないころはブラインドタッチなんてできなかったが、今では朝飯前だ。いつもの文章を書き込む。
「唐澤貴洋殺す」
また尊師が、パカッという間抜けな音とともに俺を開示してくれないかな。
俺は気づくと二度目の絶頂を迎えていた。

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