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|本名=笠置泰平 | |本名=笠置泰平 | ||
|渾名= | |渾名=お漏らし<ref>Facebookが流出したことから</ref> | ||
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|生年=1984-1985年 | |生年=1984-1985年 | ||
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|関係者=<div> | |関係者=<div> | ||
* [[山岡裕明(弁護士)|山岡裕明]] - 同僚(所長) | * [[山岡裕明(弁護士)|山岡裕明]] - 同僚(所長) | ||
* [[ | * [[菊地康太]] - 同僚 | ||
* [[千葉哲也]] - 同僚 | * [[千葉哲也]] - 同僚 | ||
* [[町田力]] - 同僚 | |||
* [[杉本賢太]] - 元同僚(退所済) | |||
* [[阿部通子]] - 同僚 | * [[阿部通子]] - 同僚 | ||
* [[ | * [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/田村祥一|田村祥一]] - 元同僚(退所済) | ||
* [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/ | * [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/上野浩理|上野浩理]] - 同僚 | ||
* [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/ | * [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/星野悠樹|星野悠樹]] - 同僚 | ||
* [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/ | * [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/村田和希|村田和希]] - 同僚 | ||
* [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/ | * [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/高間裕貴|髙間裕貴]] - 同僚 | ||
* [[長野英樹]] - 同僚 | |||
* [[柏原陽平]] - 同僚 | |||
* [[畔柳泰成]] - 同僚 | |||
* [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/小林尚通|小林尚通]] - 同僚 | * [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/小林尚通|小林尚通]] - 同僚 | ||
* [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/大友雅則|大友雅則]] - 同僚 | |||
* [[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/片岡弘|片岡弘]] - 顧問弁護士 | |||
* 笠置泰孝 - 兄弟? | * 笠置泰孝 - 兄弟? | ||
*[[唐澤貴洋Wiki:チラシの裏/髙品惠子|髙品惠子]] - 中央法科大学院時代の同期 | |||
</div>}} | </div>}} | ||
'''笠置 泰平'''(かさぎ たいへい)とは、[[第一東京弁護士会]]<ref>公智法律事務所にいた頃は第一東京弁護士会、萬年総合法律事務所にいた頃は{{wpl|福岡弁護士会}}所属であったため、今回の移籍で再度イチベンに戻ってきたことになる</ref>に所属する弁護士である。現在[[八雲法律事務所]]に所属。弁護士番号は42972<ref>{{Archive|https://sashiireya.com/bengoshi/lawyer_42972.php|https://archive.ph/FaS2o|さしいれや}}</ref>。 | |||
== 概要 == | == 概要 == | ||
[[八雲法律事務所]]は2022年5月までに12人体制になることが、事務員の求人から明らかとなっており<ref> | [[ファイル:K3PaCK5.png|thumb|200px|山岡のFaithbook、友達欄に笠置がいる。]] | ||
[[八雲法律事務所]]は2022年5月までに12人体制になることが、事務員の求人から明らかとなっており<ref>[https://archive.ph/JpV3u 弁護士秘書(管理事務)(魚拓)]</ref>、新人が一人増えることが確実視されていた。 | |||
2022年5月5日<ref>{{Archive|https://ensaimada.xyz/test/read.cgi/43044/1610272743/481|https://archive.ph/Sswz9|【山岡裕明】八雲・ニューポート法律事務所事実追及スレ【山本祥平】>>481}} - マヨケー</ref>、[[マヨケー]]にて弁護士サーチで八雲と入れたら出てきたと報告があり、笠置の加入が確定する。 | |||
5月5日の時点で八雲法律事務所のHPは[[恒心|更新]]されていないものの、[[弁護士マップ]]では更新済みであるため<ref>{{Archive|https://bengo4map.org/lawyer/42972|https://archive.ph/C5vxm|笠置泰平 弁護士マップ}}</ref>、釣りではないことは明らかである。翌日の5月6日にHPが恒心され、正式の発表がなされた<ref>{{Archive|https://www.ykm-law.jp/member/kasagi.html|https://archive.ph/dm1pP|八雲法律事務所HP 笠置泰平}}</ref>。 | |||
八雲法律事務所の弁護士紹介の並びは、代表の山岡、2022年4月に入所した[[菊地康太|菊地]]の次にいるため<ref>{{Archive|https://www.ykm-law.jp/member.html|https://archive.ph/mwUeW|八雲法律事務所 弁護士紹介}}</ref>、菊地と同様にアソシエイトではなくパートナーとしての入所だと推測される<ref>ただしパートナー、アソシエイトの扱いに関しては八雲の勤務形態が不明なので疑問視する声もある。菊地と笠置に関しては代表の山岡より期が上、あるいは同期なのでこの序列になったと推定される</ref>。 | |||
[[法律事務所クロス]]設立から間もない2015年2月21日の時点で山岡のFacebookの友達欄に笠置弁護士がいたことが確認でき<ref>{{Archive|https://orpheus.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1424452388/965|https://archive.ph/9KyTX|【速報】唐澤貴洋弁護士、法律事務所クロス設立*3 [転載禁止]©2ch.net>>965}}</ref>、八雲加入以前から山岡と何らかの親睦があったことが窺える。 | |||
== 経歴 == | == 経歴 == | ||
[[ファイル:ヤング笠置.JPG|[[ICHIBEN Bulletin]]2011.2月号より<ref>余談だが、次ページに[[唐澤貴洋]]と[[山岡裕明(弁護士)|山岡裕明]]も載っている</ref>|thumb|200px|right]] | |||
[[ファイル:笠置2.jpg|[[ICHIBEN Bulletin]]2022.7月号より<ref>{{Archive|https://anonfiles.com/OeHf8e34y0/_jpg|https://archive.ph/8NnWS|ichiben2022.7.1}}</ref>|thumb|200px|right]] | |||
=== 年表 === | === 年表 === | ||
*?年3月 - 青雲高校卒業 | *?年3月 - 青雲高校卒業 | ||
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*2010年12月16日-2014年9月 - 黒澤法律事務所(現:公智法律事務所)入所<ref>{{Archive|https://www.kurosawa-law.jp/topic/2010.html|https://archive.ph/euP8H|朝妻健弁護士、笠置泰平弁護士(ともに63期)が入所いたしました。}}</ref> | *2010年12月16日-2014年9月 - 黒澤法律事務所(現:公智法律事務所)入所<ref>{{Archive|https://www.kurosawa-law.jp/topic/2010.html|https://archive.ph/euP8H|朝妻健弁護士、笠置泰平弁護士(ともに63期)が入所いたしました。}}</ref> | ||
*2013年3月22日 - 平成25年税務訴訟資料 第263号-51(順号12175)の訴訟代理人弁護士を務める<ref>{{Archive|1=https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2013/pdf/12175.pdf|2=https://archive.ph/8qxgv|3=平成25年税務訴訟資料 第263号-51(順号12175)}}</ref> | *2013年3月22日 - 平成25年税務訴訟資料 第263号-51(順号12175)の訴訟代理人弁護士を務める<ref>{{Archive|1=https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2013/pdf/12175.pdf|2=https://archive.ph/8qxgv|3=平成25年税務訴訟資料 第263号-51(順号12175)}}</ref> | ||
*2014年9月22日 - 週刊税務通信2014.09.22号に寄稿する<ref>{{Archive|https://www.zeiken.co.jp/mgzn/tusin/back_number/265484.php|https://archive.md/t4iYM|No.3328(2014.09.22号)}} - 税務研究会</ref> | |||
*2014年11月 - 国土交通省国土交通事務官(大臣官房監察官併任)採用 | *2014年11月 - 国土交通省国土交通事務官(大臣官房監察官併任)採用 | ||
*2016年10月末-12月初旬 - 地方整備局・開発局の監査官に選任される<ref>{{Archive|https://www.mlit.go.jp/common/001177508.pdf|https://archive.ph/I2cHS|平成28年度特別監査報告書}}</ref> | |||
*2017年3月 - 国土交通省国土交通事務官(大臣官房監察官併任)任期満了 | *2017年3月 - 国土交通省国土交通事務官(大臣官房監察官併任)任期満了 | ||
*2017年3月 - 第一東京弁護士会 登録抹消 | *2017年3月 - 第一東京弁護士会 登録抹消 | ||
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*2021年6月23日 - 法政学会シンポジウム『スタートアップにとっての独占禁止法~ガイドライン・公取委報告書を活用した公正な事業連携・共同開発の実現へ向けて 「交渉に活用したい『モデル契約』」~経済産業省モデル契約(ver1.0)の紹介~』に登壇する<ref>{{Archive|http://www.law.kyushu-u.ac.jp/~q_hosei/lpkouen.htm|https://archive.ph/t5YWg|3個目の項目を参照}}</ref> | *2021年6月23日 - 法政学会シンポジウム『スタートアップにとっての独占禁止法~ガイドライン・公取委報告書を活用した公正な事業連携・共同開発の実現へ向けて 「交渉に活用したい『モデル契約』」~経済産業省モデル契約(ver1.0)の紹介~』に登壇する<ref>{{Archive|http://www.law.kyushu-u.ac.jp/~q_hosei/lpkouen.htm|https://archive.ph/t5YWg|3個目の項目を参照}}</ref> | ||
*2021年7月10日 - 日本ライセンス協会大会「独禁法WG スタートアップにとっての独占禁止法」に講師として参加する<ref>{{Archive|https://www.lesj.org/event/2021yearly42/outline/|https://archive.ph/ULYmj|2021年度 日本ライセンス協会 年次大会 プログラム}}</ref> | *2021年7月10日 - 日本ライセンス協会大会「独禁法WG スタートアップにとっての独占禁止法」に講師として参加する<ref>{{Archive|https://www.lesj.org/event/2021yearly42/outline/|https://archive.ph/ULYmj|2021年度 日本ライセンス協会 年次大会 プログラム}}</ref> | ||
* | *2021年9月30日 - シンポジウム『スタートアップと独禁法 「交渉に活用したい『モデル契約』」~経済産業省モデル契約の紹介~」』に登壇する<ref>{{Archive|https://hirayamalawoffices.com/2021/09/18/01-33/|https://archive.ph/AB92k|平山法律事務所HP}}</ref> | ||
*2022年2月8日 - オンラインセミナー「独占禁止法・競争政策 2021年総ざらい ~公取委勤務経験者6名によるポイント解説~」に出演する<ref>{{Archive|https://businessandlaw.jp/seminar/h2022bl/|https://archive.ph/Wkn4V|【無料】独占禁止法・競争政策 2021年総ざらい ~公取委勤務経験者6名によるポイント解説~}}</ref><ref>{{Archive|1=https://www.kikkawa-law.com/index.php?Mod=News&Cmd=DataList&Action=Detail&SONid=366|2=https://archive.ph/0DvVk|3=きっかわ法律事務所HP}}</ref> | *2022年2月8日 - オンラインセミナー「独占禁止法・競争政策 2021年総ざらい ~公取委勤務経験者6名によるポイント解説~」に出演する<ref>{{Archive|https://businessandlaw.jp/seminar/h2022bl/|https://archive.ph/Wkn4V|【無料】独占禁止法・競争政策 2021年総ざらい ~公取委勤務経験者6名によるポイント解説~}}</ref><ref>{{Archive|1=https://www.kikkawa-law.com/index.php?Mod=News&Cmd=DataList&Action=Detail&SONid=366|2=https://archive.ph/0DvVk|3=きっかわ法律事務所HP}}</ref> | ||
*2022年5月1日 - 八雲法律事務所に移籍 | *2022年5月1日 - 八雲法律事務所に移籍 | ||
*2022年7月31日 - 同志社大学デジタル法制研究センターによる第12回研究会で「オンラインモールで国外出品者が販売した欠陥商品に関するデジタルプラットフォーム提供者の対消費者責任~最新裁判例の御紹介~」の発表を行う<ref>{{Archive|https://www1.doshisha.ac.jp/~rc-clpds/|https://web.archive.org/web/20230119040056/https://www1.doshisha.ac.jp/~rc-clpds/|同志社大学デジタル法制研究センター}}</ref> | |||
*2022年10月14日 - BUSINESS&LAWに『ワンポイント 独禁法コラム[第6回]情報システム調達と独占禁止法』を寄稿。(後述) | |||
*2022年12月28日 - 山岡、[[畔柳泰成]]と共同執筆した「[[競争法における「サイバーセキュリティの確保」の要請]]」が月刊法律のひろば2023年1月号に掲載される<ref>{{Archive|https://www.fujisan.co.jp/product/2430/new/|https://archive.md/JVOsw|月刊 法律のひろば 最新号:2023年1月号 (発売日2022年12月28日)}}</ref> | |||
*2023年1月30日 - BUSINESS&LAW主催のオンラインセミナー「独占禁止法・競争政策 2022年総ざらい ~公取委勤務経験者5名によるポイント解説~」で講演する<ref>{{Archive|https://businessandlaw.jp/seminar/20230130h5/|https://archive.md/UH6C2|【無料】独占禁止法・競争政策 2022年総ざらい~公取委勤務経験者5名によるポイント解説~}}</ref> | |||
*2023年2月1日 - 山岡、[[柏原陽平]]と共同執筆した「サプライチェーンにおけるサイバーセキュリティ体制構築上の法的留意点」が旬刊経理情報2023年2月10日号に掲載される<ref>{{Archive|https://www.ykm-law.jp/news|https://archive.md/qYupo|八雲法律事務所HP(2023/2/6更新)}}</ref> | |||
=== 役職 === | === 役職 === | ||
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他支部との連携のあり方について模索している段階ではありますが、九州支部との連携にご興味のある方がいらっしゃいましたら、気軽にお声がけいただければ幸いです。 | 他支部との連携のあり方について模索している段階ではありますが、九州支部との連携にご興味のある方がいらっしゃいましたら、気軽にお声がけいただければ幸いです。 | ||
どうぞよろしくお願いいたします。 | どうぞよろしくお願いいたします。 | ||
八雲法律事務所は、2022年4月より日本組織内弁護士協会の公式スポンサー<ref>{{Archive|https://www.ykm-law.jp/news/202204012.html|https://archive.ph/B2XuU|当事務所が日本組織内弁護士協会(JILA)の公式スポンサーに就任しました。}}</ref>となっており、以前から[[恒心文庫:12人体制|12人体制]]が予言されていたことから、笠置の[[参画]]に合わせて八雲が入会した可能性がある。 | |||
*サムティ株式会社 第三者委員会<ref>{{Archive|http://www.daisanshaiinkai.com/未分類/20230515/|https://archive.md/TClWY|2023年度の第三者委員会公表データ}}</ref> | |||
== Facebook流出 == | == Facebook流出 == | ||
[[ファイル:本人のFacebookより.jpg|Facebookより(削除済)|thumb|right|200px]] | [[ファイル:本人のFacebookより.jpg|Facebookより(削除済)|thumb|right|200px]] | ||
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山岡~見てる~?いつも監視しているよ? | 山岡~見てる~?いつも監視しているよ? | ||
</div></div> | </div></div> | ||
== 情報システム調達と独占禁止法 == | |||
2022年10月14日、笠置が八雲法律事務所名義でBUSINESS&LAWに『ワンポイント 独禁法コラム[第6回]情報システム調達と独占禁止法』を寄稿した。確認される中で最初の八雲名義での活動である。 | |||
<div class="toccolours mw-collapsible mw-collapsed"> | |||
{{Archive|https://businessandlaw.jp/articles/a20221014-1/|https://archive.ph/NXtIT|ワンポイント 独禁法コラム[第6回]情報システム調達と独占禁止法}} | |||
<div class="mw-collapsible-content"><poem> | |||
'''I はじめに''' | |||
日本では、今般のコロナ禍において官民のデジタル化の遅れが顕在化し、デジタル社会の形成が急務となっています。独占禁止法にまつわるさまざまな話題をわかりやすく紹介する「ワンポイント 独禁法コラム」第6回の今回は、デジタル社会の形成を推進するにあたって競争政策の観点から注目を集めている情報システム調達に関して、その独占禁止法上の論点などをご紹介します。 | |||
'''II 官公庁における情報システム調達に関する実態調査''' | |||
令和4年2月8日、公正取引委員会(以下「公取委」といいます)は、「[https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/feb/220208_system/220208_report.pdf 官公庁における情報システム調達に関する実態調査報告書]」(以下「実態調査報告書」といいます)を公表しました。 | |||
この実態調査は、競争政策の観点から、今後の情報システム調達について、ベンダーロックイン(注1)が回避されることなどにより、多様なベンダーが参入しやすい環境を整備することが重要であるとの認識のもと、国の機関および地方公共団体(以下「官公庁」といいます)における情報システム調達の実態を把握するために実施されたものです。 | |||
そして、この実態調査は、競争政策上の検討事項のほかに、'''官公庁の情報システム調達におけるベンダー等の行為のうち、独占禁止法上問題となりうる具体的な行為についての独占禁止法上の考え方や留意点'''を検討事項としています。 | |||
実態調査報告書では、情報システム調達におけるベンダー等の行為のうち、 | |||
① 仕様書の作成に際し、自社のみが対応できる機能を盛り込むこと | |||
② 合理的理由のない仕様開示の拒否、データ引継ぎの拒否等 | |||
③ 既存ベンダーから別の物品・役務を一括発注することなどの要求 | |||
④ 安値応札 | |||
⑤ ベンダー間等の受注調整 | |||
についての独占禁止法上の考え方や留意点が示されました。 | |||
このうち、本稿では、Ⅲの事件と関連する「'''仕様書の作成に際し、自社のみが対応できる機能を盛り込むこと'''」について具体的に取り上げます。 | |||
ここで問題とされている行為は、官公庁の情報システム調達において、ベンダーが、発注担当者が仕様に精通していないことに付け込み不正確な情報を提供するなどして'''自社のみが対応できる仕様書による入札を実現'''し、自社の仕様を盛り込むことにより、'''他のベンダーの入札参加を困難'''にさせ、入札参加者の公平で自由な競争を通じて受注者を決めるという'''官公庁の入札方針に反する入札'''をさせる行為などです。 | |||
実態調査報告書は、このような行為が'''私的独占等に該当して独占禁止法上問題となるおそれがある'''と指摘しています。 | |||
その上で、ベンダーとしては、官公庁への提案に際し、 | |||
'''① 自社独自の製品であるか汎用品であるかを明示すること''' | |||
'''② 官公庁からの要求による仕様書の作成や修正、入札方式の決定などについて虚偽の説明などの不当な働きかけをしないこと''' | |||
'''③ 発注担当者が情報システムに精通していないことに付け込み、自社のみが対応できる仕様とならないこと''' | |||
などに留意すべきである旨指摘しています。 | |||
他方で、官公庁としては、 | |||
'''・ ベンダーとの情報の非対称性を減らすために内部で情報システムに係る知見を蓄積しておくとともに、競争的な発注を行う旨の自身の調達方針を明確化し対外的に示すことにより、ベンダーに対しこれを認識させること''' | |||
が官公庁の方針に反する入札の防止につながると考えられる旨を指摘しています。 | |||
'''III サイネックスおよびスマートバリューの確約計画認定''' | |||
実態調査報告書の公表日から約5か月後の令和4年6月30日、公取委は、株式会社サイネックスおよび株式会社スマートバリューの2社(以下単に「2社」といいます)から申請があった確約計画の認定等について[https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/jun/220630daiichi/220630.html 公表]しました。 | |||
公表文によると、公取委がこの事件において違反被疑行為(注2)とした内容は、 | |||
2社が、自らのホームページをリニューアルする業務(以下「本件業務」)の発注を検討している市町村等に対してそれぞれが行う受注に向けた営業活動において、当該市町村等が本件業務の仕様において定める、ホームページの管理を行うために導入するコンテンツ管理システム(以下「CMS」)について、'''2社によって作成'''された、'''オープンソースソフトウェアではないCMSとする'''ことが当該ホームページの'''情報セキュリティ対策上必須'''である旨を記載した'''仕様書等の案を、自らだけではCMSに係る仕様を設定することが困難な市町村等に配付'''するなどして、'''オープンソースソフトウェアのCMSを取り扱う事業者が本件業務の受注競争に参加することを困難にさせる要件'''を盛り込むよう働きかけている | |||
というものでした。 | |||
この違反被疑行為を受けた市町村等の中には、オープンソースソフトウェアのCMSは情報セキュリティ対策上問題があるものと認識し、本件業務の仕様において、オープンソースソフトウェアのCMSの導入を認めない旨を定めた上で発注を行ったものがあり、これにより、オープンソースソフトウェアのCMSを取り扱う事業者は、当該本件業務の受注競争に参加することができないこととなっていたとのことです(注3)。 | |||
公取委は、この公表文において、「本件と関連する公正取引委員会のアドボカシー・唱導活動(実態調査)」という項目を設けて(注4)、実態調査報告書とスタートアップの取引慣行に関する実態調査に係る最終報告書(公取委「[https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2020/nov/201127pressrelease_2.pdf スタートアップの取引慣行に関する実態調査報告書]」(令和2年11月)。以下「最終報告書」といいます)(注5)を挙げていますが、気になる点が2点あります。 | |||
一つ目は、実態調査報告書は、Ⅱでご紹介したとおり、仕様書の作成に際し、自社のみが対応できる機能を盛り込むことが独占禁止法上問題となるおそれがある旨指摘していましたが、この違反被疑行為では、オープンソースソフトウェアではないCMSを取り扱う事業者であれば2社でなくとも競争に参加できるわけですから、仕様書に自社のみが対応できる機能が盛り込まれることにはなっていないという点です。 | |||
二つ目は、公表文で引用された最終報告書の該当部分が、「「競合他社が、スタートアップの販売先に対し、スタートアップの商品等に関する悪評を流すことにより、スタートアップとその販売先との取引を妨害した事例」について、それが不公正な競争手段によるものである場合には、競争者に対する取引妨害(一般指定第14項)として問題となるおそれがある」であるという点です。 | |||
公取委は、公表文において、「市町村等において導入されるCMSを、情報セキュリティ対策からオープンソースソフトウェアではないCMSとしなければならない理由はないものと考えられる」とも記載しています。 | |||
そうすると、公取委は、2社が「オープンソースソフトウェアではないCMSとすることが当該ホームページの情報セキュリティ対策上必須である旨を記載した仕様書等の案」を市町村等に配布するなどしたことを、オープンソースソフトウェアのCMSに関する悪評を流すことと同様の行為であると評価しようとしていた可能性があります(注6)。 | |||
たしかにオープンソースソフトウェアのセキュリティに関しては古くからさまざまな議論があり、オープンソースソフトウェアがそうでないソフトウェアと比べて情報セキュリティの点で脆弱であると一概に言うことは難しいと思われます(注7)。このことから、本件業務の発注においてオープンソースソフトウェアではないCMSであることが情報セキュリティ対策上推奨のレベルを超えて必須とされなければならない理由は、本件の審査の過程で見当たらなかったのかもしれません。 | |||
なお、本件の公表後、公取委は、この違反被疑行為が及ぼす影響の広さやベンダーロックインの問題があったことを背景として、すべての地方公共団体に対して、この公表文を周知しています(注8)。これを受けて、地方公共団体は、本件業務またはこれに類似する業務を発注するにあたって、その仕様において定めるCMSについて、「オープンソースソフトウェアではないこと」を評価項目から除外するなどの対応をしているようです([http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2022060700049/ 愛知県瀬戸市]、[https://www.city.uonuma.niigata.jp/docs/2022070600049/ 新潟県魚沼市]など)。 | |||
'''IV 最後に''' | |||
今回取り上げた実態調査報告書や事件は、いずれも官公庁における情報システム調達を対象とするものでした。 | |||
ただ、実態調査報告書が「本調査は、官公庁における情報システムを対象に実施したものの、民間における情報システムに係る取引においても、本報告書と同様の論点を有する部分については本報告書における考え方が有用であると考えられる」と指摘しているように、'''民間における情報システム調達においても'''、同様に独占禁止法上留意すべき点があります。企業担当者のみなさまには、くれぐれもご注意いただきたいと思います。 | |||
[注] | |||
1.「ベンダーロックイン」とは、ソフトウェアの機能改修やバージョンアップ、ハードウェアのメンテナンス等、情報システムを使い続けるために必要な作業を、それを導入した事業者以外が実施することができないために、特定のベンダーを利用し続けなくてはならない状態のことをいいます。 | |||
2.一般的に、オープンソースソフトウェアのCMSを取り扱う事業者はシステムの構築費用を安価にでき、本件業務において安価な見積価格を提示し、2社はこれに金銭面で対抗することが難しいところ、オープンソースソフトウェアのCMSを取り扱う事業者が本件業務の受注件数を増加させてきていたことが、この違反被疑行為の背景であるとみられるとのことです(向井康二ほか「株式会社サイネックス及び株式会社スマートバリューから申請があった確約計画の認定等について」公正取引863号67頁以下(以下「担当官解説」といいます)参照)。 | |||
3.担当官解説参照。 | |||
4.[https://www.jftc.go.jp/dk/advocacy/220616digital_statement.pdf 公正取引委員会「デジタル化等社会経済の変化に対応した競争政策の積極的な推進に向けて―アドボカシーとエンフォースメントの連携・強化―」(令和4年6月6日)]参照。 | |||
5.オープンソースソフトウェアのCMSを取り扱う事業者の中にはスタートアップが存在すると考えられたとのことです(担当官解説参照)。 | |||
6.本件は、確約計画の認定で終了していますので、公取委は2社の違反被疑行為が独占禁止法の規定に違反することを認定してはいません。 | |||
7.2003年3月時点のものですが、「オープンソース・ソフトウェアのセキュリティの議論においては、現在、オープンソース・ソフトウェアは一般のソフトウェアに比べてセキュアであるという見方が大多数を占めている」という指摘もあります。[https://www.ipa.go.jp/security/fy14/reports/oss_security/part1.pdf 独立行政法人情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティセンター「オープンソース・ソフトウェアのセキュリティ確保に関する調査報告書」第1部]11頁参照。ご興味のある方は、[https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220510001/20220510001-1-2.pdf 経済産業省商務情報政策局サイバーセキュリティ課「OSSの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集」(令和4年5月10日)]もご参照ください。 | |||
8.担当官解説参照。 | |||
</poem></div></div> | |||
== 余談 == | |||
*笠置泰孝という九州出身の公認会計士が都内にいる<ref>新日本有限責任監査法人、ゴールドマンサックスを経て新規事業推進室室長キャリロに勤めていた{{Archive|https://kyujin-saiyo.net/topics/gyoukai/1768|https://archive.ph/Ct7ef|【オンライン開催】労務コスト削減・収益率を向上! 物流DXセミナーを開催いたします。}}</ref>。笠置のFacebook上で交流があるため兄弟説も指摘されているが、高校は福岡県出身のため異論もある。 | |||
*黒澤法律事務所(現:公智法律事務所)時代に{{wpl|テレビ東京}}の代理人として[[麻原彰晃]]長男のリンポチェ猊下との裁判に勝訴している(東京地裁損害賠償請求平成26年(ワ)8299号)<ref>{{Archive|https://ensaimada.xyz/test/read.cgi/43044/1610272743/884|https://archive.ph/8bnd7|【山岡裕明】八雲・ニューポート法律事務所事実追及スレ【山本祥平】>>884}} - マヨケー</ref><ref>{{Archive|https://anonfiles.com/L488Yf32yd/_jpg|https://archive.ph/JV0Bm|東京地裁損害賠償請求平成26年(ワ)8299号}}</ref>。 | |||
== 脚注 == | == 脚注 == | ||
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[[カテゴリ:山岡裕明]] | [[カテゴリ:山岡裕明]] | ||
[[カテゴリ:第一東京弁護士会所属の弁護士]] | |||
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