「恒心文庫:新訳 父洋スレ」の版間の差分
ナビゲーションに移動
検索に移動
メインページ ・ この作品をウォッチする ・ 全作品一覧 ・ 本棚 ・ おまかせ表示
>チー二ョ (ページの作成:「__NOTOC__ == 本文 == <poem> 僕らは 幸せだった 母親は居なかったし、 学校にも居場所はなかったけど 父が誰よりも僕たちを愛して…」) |
(相違点なし)
|
2020年12月29日 (火) 14:42時点における版
本文
僕らは 幸せだった
母親は居なかったし、
学校にも居場所はなかったけど
父が誰よりも僕たちを愛してくれていたから
父は僕よりも弟を愛していた
僕は、いつもそれを見ていた
でも弟が居なくなってからは
父は誰よりも僕を愛してくれた
「世界中がお前の敵になっても
変わらずお前を愛し続ける
だからもうどこにも行くな」
そう世界の優しさを語った父は
次第に僕を愛さなくなっていった
僕はもう父以外を愛することなどできはしないというのに
人は人を愛さなくてはならないというのならば
あの日から誰も愛したことのない
誰にも愛されたことのない僕は
今も切なさと共にあるのは 父の面影だけ
愛なき時代に
愛を
リンク
恒心文庫